ネズミとミミズク(2)

そこからの時間の流れは早いものでした。

(とはいっても、うちよそを持ちかけた後しばらく鼠さんは現れず、一ヶ月ほど経ったあるとき”三人分の"キャラクター設定画を送ってくれたのです。遅筆な自分は一人目のイメージのみ。立ち絵手つかず。鼠さんを大変お待たせしながら、やっと三人描き上げた、というような有様でした…)

最終的にキャラは一人四人ずつ担当することになり、メインキャラは八人の大所帯になりました。

 

自分は創作をするとき、ただキャラクターを配置するのではなく、「その子がいるのがどんな場所で、どんな空気を吸い、どんなものを食べ、何を思っているのか」まで考える方が好きな性質なのですが、鼠さんは、そんなややこしい自分の創作指向にピッタリ寄り添うような作品をたくさん見せてくれたのです。

街並みや、メインではないいわゆるモブ怪異たち、各キャラの関係性と相手への感情。

鼠さんはお仕事の時間が夜で、自分とは真逆の生活リズムだったので、満足に情報交流ができていたわけでもなかったこの時期、言葉に頼るだけではなく、「絵」というものの良さを最大限活用し、お互いのイメージを読み取り、咀嚼し、新たに生まれたイメージを相手に返すという創作の応酬は、少年漫画に引けを取らないくらいの情熱に満ちていました。