手紙・いなくなった友へ

今日のうちに、あなたは遠くへ行ってしまうのか。

夢の中であなたは

「僕は罪を犯しました。これから償いにいきます」

と言った。

一体、あなたの存在のなにが罪だったというのか。

あなたは狂気を望んでいたが、あなた自体は狂気でなかった。

だのにあなたの周りの人は、

あなたが苦しみ乱舞するのを面白そうに眺めていたのだ。

彼らもまた狂気を望み、あなたを狂気に仕立てあげた。

私からすれば彼らのほうがずっとずっと狂って見える。

あなたは彼らの神だった。

狂気を現す偶像だった。

あなたは彼らを赦していた。

彼らはあなたを赦さないのに。

私はそれに一片も

気付くことができなかった。

 

あなたが神で在ることを私は認めるわけにはいかない。

私はあなたのことなど何一つもわかっちゃいない。

それでも確かにあなたは私に

柔くて膿んだ人肌を見せた。

私はしっかり覚えている。

 

あなたは他者ひとを拒絶する。

あなたは言葉を恐れている。

あなたは優しく臆病だ。

私はそれに甘えすぎた。

あなたの肉を切り裂き、本心を覗き見る勇気を持つことができなかった。

 

叶うのならば、もう一度あなたと語りたい。

無理矢理に、あなたのすました「神の面」をぶち割って、

惨めで矮小なすすり泣きを

確かに存在する人間の言葉として

卑屈に低俗に語り合いたい。

 

同じ人間として語り合いたい。

あなたの神様になりたい

だれかの神様になりたい症候群とでも呼ぶべきか、そんな衝動が小学生のある時期くらいから芽生えた。

神様というと大げさだが、もうだめだと諦めかけた人を救うようななにかを届けたいと思っていた。

分かりやすい見返りは求めていなかったが、まったく下心がなかったかと言うと怪しい。当時から自分は相当な寂しがりで、自分の存在を求めて、頼って、縋ってほしかったからだ。

小学四年生くらいからネットの世界に踏み込んだ自分は、それまで見たことも感じたこともないような他人の無気力と希死念慮に触れた。

そして、本心から向かい合って接するだれかがいればそれらの病みは取り除かれると盲信していた。

そのだれかになりたいと思った。

振り返ってみるとおこがましい。自分の病みすら制御できない人間が他人の病みを取り除くなんてできる訳がない。ましてや専門家でもない未成熟な子どもに。

ネットに氾濫する「死にたい」や「助けて」の言葉にいちいち胸を痛めた。さすがに全てを拾うことはできないので、仲良くなった子のふとした気弱な発言に注意して関わった。

結果、だれも変わることはなかったし、自分も病んだ。

いや、自分は元々病み気質だったのだろうが、とにかくだれの病みも解消されなかったのは確かだ。

本当に疑問だった。悩みは人に話して解決策を見つけられれば解消するのではないのかと。

色々考えた結果、自分もそこそこ汚さを身につけて、いくつかのそれらしい答えを得ることができた。

一つ、彼らにとって自分は必要とされていなかった。

例えば相手に好きな人がいた場合、かまってほしいと思う対象がその想い人であることは明白だ。むしろ自分は邪魔者だった。

一つ、彼ら自身が病みを望んでいる。

病むのはときに気持ちがいい。頑張らない理由を見つけやすいし、だれかが優しくしてくれることもある。もちろんこれは大分性格の悪い見方だ。そうでも思わないとやっていられなかった汚い自分のわがままだ。

なんにせよ、たかが「友人」の立場である自分が、温かく心地良い子宮のような病みから引きずり出してくるなど、相手からしてみれば迷惑でしかなかったのだろうと、少し歳をとってから考えると逆に申し訳なくなった。

しかし、神様になりたい症候群はおさまらない。

次に考えたのは、本当に自分を必要としてくれる人を探すことだった。

病みを嫌い、抜け出したいと思っている人。

この頃には自分もそれなりに知恵がついて、心理学にも興味を持っていた。自分なりに面白いと思った知識をたくわえ、本気で悩んでいる人をある程度見分けることができるようにもなった。

だが同じ頃自分は少し疲れてきていて、惰性で人と関わっているようなものだった。少しでも平穏に暮らしたくて好きなことだけをするためのTwitterアカウントを作り、鼠さんと出会った。

鼠さんと関わるうちに、今までの自分の行動が恥ずかしくなった。

自分はしょせん人間だ。たった二本の細い腕と、キャベツ半分くらいの脳みそしかない。

多分、人生で関わり、影響し合える相手には限りがある。それは自分も、病んだ人も同じだ。

自分は鼠さんに恋をして、一生この人と関わりたいと感じた。それならば、ふらふらと他人のことを考えている暇はないと思った。

そうすることで、それまでの自分をより客観的に見ることができた。

人の病みに触れる責任は重い。

病みに向き合うのは体力がいるし、本当に病んでしまった人の多くは、病みの原因に蓋をすることも多いからだ。

中途半端な、覚悟もない他人がやすやすと踏み込んでいい領域ではなかった。

自分はそれまでの自分を恥じたが、同時に自分が本当に助けたいと思った相手は、たとえ相手に嫌われても助けたいと思うようにもなった。

鼠さんと、自分が大事に思う友人たちだ。

焦点を絞ると覚悟も堅くなる。もう「だれかの神様になりたい」なんて言うことはない。

神様なんて大した存在じゃなくていいから、あなたたちのささやかな救いでありたい。

お茶のこと・友人へ送る

鼠さんが一昨日ごろにみた夢の話をしてくれました。
部屋で猫と遊んでいたら、お茶の葉を持った友人さんが遊びに来て、抹茶を点ててくれたそうです。
喉にお菓子をつまらせた鼠さんが急いで抹茶を飲もうとしたら、「なりません。お茶碗を一周まわして…」と手ほどきされて飲むことができなかったそうで、苦しかったと言っていました。猫は友人さんにすごく懐いていたそうです。
友人さんが「そろそろ船が来るので行かねばなりません」と立ち上がって、「ああでも、雨が降っていますね」と言うと、鼠さんは自分でもよく分からず「それは心の雨かもしれませんね。でも、7日間続いて世界のほとんどを洗った雨も止んだんですから、きっと晴れますよ」と言いました。
友人さんは「そうですね」と少し微笑んだそうです。
港に大きなフェリーが来て、乗り込んだ友人さんは甲板から、なにかを咥えたカモメを鼠さん向けて放ちました。
鼠さんが受け取ったのは手紙で(カモメが咥えていたので磯臭かったそうですが)、そこには「私が飛べないことが、彼女たちも飛べない理由にはならない」といった意味の英文と、少年少女の集合写真のような絵、それから鼠と猫が描かれていたそうです。

 

友人が突然姿を消して寂しがる人喰を励ましてくれるような、いい夢だなぁと少し泣いてしまいました。
しかし、ほとんど正夢になってしまい、動揺しています。
大切な友人へ、連絡をくれてありがとうございます。
あなたの境遇を想うと涙が止まりませんでした。そんな状況の中、少しでも自分の望みを掴み取ろうとする勇敢なあなたが、本当にかっこよくて眩しいです。
私や鼠さん、そして私たちの大事な息子たちがあなたを励ます手助けができたことがとても誇らしいです。
私も今は大したことができる人間ではありませんが、何か力になれることがあればいつでも協力する気持ちがあるということをどうか忘れないでいてください。きっとまた会いましょう。
あなたとあなたの大切な人が、そろって笑顔で幸福でいてくれる未来を願っています。

ネズミとミミズク(6)

前回の告白の画像を送った後、SNSの呟きで鼠神がヤケ酒をしているのを知り、その時は上司の愚痴が書かれていただけだったのですが、どうしても、自分がややこしく面倒な気持ちを伝えてしまったから鼠神が混乱しイライラしてしまったのではないか、と思いました。

終わった…やっぱ未成年で実際会ったこともない同性を恋愛対象としてなんか見てもらえるはずなかった、と自分の少なくはなかった自惚れの気持ちや後悔で頭はぐちゃぐちゃになり、眠れなく自暴自棄になって、真夜中にフラフラ外を歩きました。途中パトカーが通ってビビったチキンなので、一時間するかしないかで帰りましたが。

学校に行く気にもなれずぐったりとしたまま画面を見ていると鼠神から返信があり、死にそうな気持ちで読みました。

ー7月9日

Mouse「ずくさんこの英文の意味を存じてて使ってますか?

直訳でなくて現地的な意味でですが」

「ちょっと待ってください、気まずくならないとか難しいです。いまさらながらやっと欲してるの意味が分かったのですが、そういう意味だと言うことをご理解の上で伝えてるのだとしたら余計に難しいかもしれません。」

 

そうだよな…こんな一方的に求愛してきてしかも相手は未成年で同性で遠距離で…無責任にも程が…

 

 

「敬愛対象とは宣言してますが、でもそれ以上は考えちゃダメだと思ってたから自制してたのに、まさか食神の方からそういう意味で来られるとは思ってなかったから、どうすべきか思いつかないです。」

 

…それ以上?

自制??

 

「言い方失敗したと思って気味悪がられたと思ってたし、理由をちゃんと持っていて何度述べてくれたとしてもどうしてずくさんがそこまで私に目を向けてくださるのか理解が追いつかなくて、本当の事言うと出会ってから今でもずくさんの事がどこか怖いです。」

「食神は絶対にダサくないし、ダサいのは私だと思います。大人の癖に気づけない事多いし、ここ最近も失敗したと思って自暴自棄気味になってました。食神が真剣に悩んで想いを伝えてくださったというのに本当に情けないです。」

「本当に私なんかでいいのか正直今も疑ってます。もしかしたら、ずくさん優しいから、私があんな話をしたせいでその心が錯覚的に働いてしまったのではないかと考えてます。お気持ちを踏みにじるような考えを抱いててごめんなさい。でも、仮にそうだったとしても、それでも嬉しいとか思ってしまいます。本当にクズだと思います。」

「数年後お会いする際に、その時もずくさんのお気持ちがお変わりなかったのであれば、出来たら認めてくださればと思います。」

「今はすみませんが、頭では理解してますが正直まだ落ち着けません。なるべく気まずい感じにならないように努力します。」

「懲りずに長々とすみません、ずくさんのお気持ちがとても嬉しいと言う事、不相応ながらそのお気持ちを頂きたいという思いがある事をお伝えしたかったです。」

原文ママです。嬉しかったんです。許して。

実は色んな方面に失礼なことに、自分は少し前に鼠神から送られた「もし自分が障害になることがあれば」という言葉を、鼠神が病気になったら、という意味だと思っていました(落ち着いて考えれば足手まとい、の意味と分かったでしょうに)。そして、鼠神の創作の中に、アスペルガー症候群の少年が登場することを思い出しました。

…もしや、鼠神が「あなたが欲しい」とまで言われて愛の告白と気づかなかったのは、鼠神に発達障害の気があったからなのだろうか?

成長するにつれて発達障害が深刻化する、という話は聞いたことがありませんでしたがその時の自分はとにかく必死で、鼠神により明確に自分の気持ちを伝えるにはどうすればいいのか考え、アスペルガーについての記事を調べまくりました。

身近に発達障害の人がいなかったのもあり、もし鼠神がそういうものを抱えていたら自分に支えることができるのか、またその覚悟があるのかを確かめたかったのです。

昔見かけた自閉症の妻を持つ人の本で、題名が「妻は宇宙人」というようなものがあったことを思い出し、もしも鼠神にこの気持ちを、根本から理解してもらえなかったら、それ以外の感情のやり取りがうまくいかなかったら、もしかしたらそれはとても悲しく辛いことかもしれない、と涙さえ流れました。

しかし、自分が行動しないまま鼠神が目の前からいなくなってしまうことに比べたらなんでもないように感じました。

結果としてどストレートな愛の告白は鼠神に(多少余計に)届き、アスペルガーについて調べたという事実も、「人間やすべての生き物は、自分以外の生き物と感覚を共有できない」という真理を今一度自分の胸に呼び覚ましてくれました。

100%理解することは不可能でも、理解しようと努力することはできるし、理解してもらう努力もしよう。

密かな決意を固め、自分は鼠神とおつき合いすることになったのです。

 

ネズミとミミズク(5)

さて、鼠神にDMを送った7月6日の翌日、返信が来ました(DM内容は要約)

「将来何か差し上げる(交換)という事でしょうか?

でも食神の才能はオンリーワンだから(自分から)何か差し上げれる部分があるのか……?」

青い鳥マークのSNSは長い文章が消えてしまうらしく、自分が何を書いたかも詳しく覚えていないのですが、「鼠神がほしい、誰にもとられたくない」という内容も書いた気がします。

それに対するこの返答。何も伝わっていない。

正直焦りつつ、でも鼠神が「好意」を感じとってくれないと意味がないので、欲しいのは物ではないと伝えました。

確か、「鼠神は気づいているけどあまりに非現実的で気持ちが悪いと思い、話を濁そうとしているのかもしれない」とも考えた気がします。

だから、これからも自分と交流を続けるかどうかは鼠神の判断にお任せします、とも送りました。

ー7月8日

Mouse「すみません!何度か考えてみたのですが、絵とかをあげるわけでなければ何をあげればいいのかどうしても思いつかないです。」

「私から創作を取り上げたら何も残らないし、創作できなくなるくらいならこの世に用はないです。」

「どんだけ頑張っても周りが出来ることをこなせないだけでなく、思考すら違うみたいで、現状はそれを自分なりにカバーしてるだけです。映画や漫画などを観ることで、人としての本来の考え方や接し方を学びました。色んな作品と自身の体験を混ぜて、その絵の具みたいなもので色々作ってる時だけは、自分が周りの人間と何も変わらない気持ちになれるというか。」

「周りと違ってもいいとは聞くし、私自身もそれでいいと思いますが、せめて平均とか普通は知っておきたかったです。今は多分それなりにやれてるはず。」

「だから何故ずくさんが私のモノ以外を欲しいと言うのかがわからなくてまだ思考中です」

「あと食神のこと気持ち悪いとか絶対思わないし、いきなり縁を切る選択出すとか鬼ですか!?そこも正直よく分かりませんでした。」

「もしもですが、本当にいつか私が障害になる時が来たら、その時は遠慮なく切り捨ててほしいです。ずくさんの思考や創作、人生の邪魔にだけはなりたくないです。」

 

ずく「鼠神に嫌われはしなかったって分かって本当安心しました…

どうしても言葉で伝えたくて、今は曖昧な表現しか出来なくて申し訳ないです。

直接会ってくださるのであればその時は全部隠さず伝えさせていただきます!」

「まとめますと、先日のお話で鼠神の安全が今まで以上に心配になりまして、もしこの先「こいつやたら絡んできて怖いな…」って思う人間が出てきたら、鼠神のことがめちゃくちゃ好きで鼠神につく悪い虫は燃やすとまで言ってる猛禽類がいるってことを伝えて逃げてくださいって事を言いたかったんです。」

「長くなってしまいましたがこれまで通り仲良くしていただけると嬉しいです」

ここで一度、何事もなかったかのようにしようか、とも思いましたが、こんなに相手の気持ちを乱しておいてここで引き下がる方が卑怯じゃないか?と思いました。

ー7月9日

ずく「本当は鼠神のことこんなに悩ませるつもりじゃなかったんです…自分のダサさが最高に恥ずかしくて死にそうです」

「これはダサさついでというか、本当に自分のわがままでしかないんですが…

もし鼠神が、食人が何を考えてるのか分からなくて、怖かったら、送った画像に本当の気持ち書きましたので見て下さい。

こんなやり方卑怯だなって本当に思うんですが、鼠神を不安にさせたままよりはマシかなと思いました。鼠神の気持ちがどっちであっても気まずくはならないでくださると嬉しいです…」

相手がワンクッション置けるようにというのと、恥ずかしすぎたのとで直球で書けず、画像には鏡文字で小さく、「I  want  you」と書きました。

直訳でなく、そういう意味で。

 

(……後で鼠さんに聞いたところによるとちょっとえっちな意味を含む英文らしく…いや、嘘は言ってないです。ごめんなさい)

ネズミとミミズク(4)

鼠神に対する大きすぎる気持ちについて考えるうち、もしやこれは恋心に近いものなのではないか、という気がしてきました。

というのも、鼠神の声を思い返して自慰に近いことをしそうになったからです。

その時は「感情が昂りすぎたせい」と理由をつけましたが、もしも本当に恋心だった場合…

それまでの鼠神の投稿で、鼠神が同性での恋愛に抵抗がなさそうなことは知っていました。正直やった!と思いました。

それとなく、自分も同性愛に抵抗がない(というより、自分の中の性別が決まりきっていない)旨の投稿をしました。

誰にも鼠神をとられたくないと思いつつ、未成年という立場、ろくに自立もしていなくて、社会に出たこともない人間が、ひとりのひとを愛す資格などあるのか、と悩みました。

性別、年齢、立場、出会ってからの期間の短さ、物理的距離。

あまりにハンデが大き過ぎます。鼠神に軽蔑されるのでは、と思いました。

まずは自分の中でこの気持ちを試そうと考え、せめて20歳になって自立してから、その時まだ想いが消えていないのなら告白してもいいだろうと思いました。

そんな中、2回目のコラボの日がやって来ました。

前回の配信で鼠神がとても喋りやすく接してくれたのもあり、2回目はリラックスした状態で、遊びのような感覚でお話ししました。

方言の話をしたり、鼠神の声に惚れ込んだ自分が、無理言って恥ずかしめのセリフ音読をしてもらったりして。

その時の配信は鼠さんの方から行っていて、後日謎のエラーで消えてしまったようで、記録は鼠さんのUSBの中にしか残っていません。

どういった流れかは忘れましたが、鼠神の、配信の終わりがけでの話が、自分の決意のきっかけでした。

「学生のときゲーセンでの帰り、駅で後ろから頭に袋を被せられて気を失った」と。

7月だったと思いますが、一気に寒くなったような気がしました。

鼠神は「イタズラだったと思う」と言っていましたが、明確な悪意があったことは確かで、吐き気がしそうでした。

恐らく相手は男で、手口的に連れ去ろうとしたのだろうと。

偶然、怪しんだ駅員さんが声をかけるとそいつは逃げたらしく、結果的には何もなかったそうです。

しかし、酸欠で後遺症になったかもしれないのです。

腹が立ちすぎて、何も気の利いた言葉が出ませんでした。

明らかに自分の感情を制御できず、うやむやに配信を終えた後、少し自分の気持ちを整理しました。

鼠神の話を聞いて一番恐怖したのが、鼠神の作品を見た当初の「今伝えないと消えてしまうかもしれない」という気持ちが蘇ったことでした。

鼠神に対して、悪意や邪な空気を感じたことは一切ありませんでした。しかし、その話を聞いてから、「鼠神の周りには悪い空気が充満しているのではないか」と思ったのです。

そう思ってからの自分の行動は早いものでした。

とにかく一刻も早く、鼠神の周りの邪気を減らしたかったのです。

意志薄弱で情けないとは思いましたが、自分はDMで鼠神にほぼラブレターとも取れるメッセージを送りました。

「今はまだ全部の気持ちは伝えられないけど、鼠神のことが大好きで変な虫は燃やすとまで言ってる奴がいるってことを意識して、いざというときはそういう空気漂わせて逃げてください」

というようなことを書いた気がします。

鼠神が他者から与えられる愛を意識したとき、その空気が鼠神をエサにしようとする奴を遠ざけるのではないか、と考えました。